小池浩二氏の [継栄の軸足] シリーズ (46)
【コンセプトを立てたマーケテイング戦略 全4回】
第4回目「第4次産業革命へShiftする企業の最新事例」
小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
■生き残る道は自社商品
【第4次産業革命に対応していく創業25年の神奈川県IT企業の実例】
25年前に創業されたA社は、Y社長が創業され、年商6億・社員50名の企業に成長された。
IT業界は第3次産業革命のキーテクノロジーとして、社会インフラの基盤となり発展したが、ITの中小企業は下請体質が強く、プログラマーの派遣やシステム業務請負の主要業務は大手企業の二次・三次・四次下請けの構造になっている。
中小IT企業の収益構造は、社員100名・売上高10億企業でも、経常利益率は0.01%の1000万、一人当たりの経常利益は10万と収益は低く、外部環境や顧客動向が変化すると赤字に陥る企業が多い業界でもある。
Y社長はこの状況に危機感を持ち、中小IT企業の生き残る道は自社商品を持たないといけないと確信し、自社商品開発を5年前から挑戦。
元来A社は地図情報、映像を取扱う技術に優れ、Googleより早く、ストリートビューを開発するような技術力を持っており、その固有技術をベースに動画配信システムを開発した。
■キーテクノロジーとの組み合わせ技術
A社が開発した動画配信システムは、非常に好評で日本の超大手企業から直接問合せがあり、採用・導入している企業も誰もが知っている大企業が多い。
ある自動車メーカーは、動画配信システムだけではなく、自動車メーカーのホームページの一部作成を依頼するほど、技術的評価をしている。
また、ある公共〇〇放送の動画配信システム採用コンペではビル・〇〇ツの〇〇〇〇ソフトと一騎打ちで戦い、A社が受注を勝ち取っている。
このA社の特徴は、地図情報、映像を取扱うキーテクノロジーが優れている点にあるが、真に優れている点は、「キーテクノロジーとコンセプト・マーケテイングの組合わせ力」にある。つまり、「自社の持つ地図情報や映像を取扱うキーテクノロジー」と「何か?」を組合わせする技術が優れているわけだ。
開発当初は商品の価格設定、売り先、売り方もわからず、右往左往していたが、ユーザーに教えられながら、この動画配信システムは成長。
この新商品がもたらした効果は、
・年商の3割を稼ぐ第2の柱ができ上がる
・5分の1の社員(10名)で年商の3割を稼ぐ生産性の高いビジネスの構築
・自社が価格の値付けができる商品を持てた
・安定して売上が上がる収益構造の構築
・次世代に向けて、夢が語れる企業になった
・大手企業との直接取引口座が持てた
・優秀な社員の確保ができる条件ができた
・下請体質から抜け出す 等
このA社の新商品開発は5年間・2億円の投資をかけて現在に至る。これからは、動画配信と様々のカテゴリーテーマが組み合わされ、21世紀の新しい社会インフラの一つとして、様々な分野で活用されるだろう。
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筆者 小池浩二氏が【中小企業に必要な経営の技術】の概論を動画で説明しています。
こちらからどうぞ → http://bit.ly/2NFrWHm
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