【時代に取り残された古参幹部 全4回】
第2回目「そもそも古参幹部とは」
小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
■会社の変化に追い付けない
会社規模が30人を超え始めると経営者は「法人の代表としての振る舞いを心掛けない」と会社運営に歪みをきたします。「個人の人間としては分かるし許せるが、法人の代表としては許せないこと」が多発するのです。
変われない幹部は、「うちのオヤジは分かってくれるはずだ」と思います。しかし中堅・若手社員から見れば、理解できないことを実際やっていることが多いものです。会社が小規模のときは役職パワーで威圧できますが、社員が成長し始めるとそんなものは使い物になりません。
■誰にも古参幹部になる可能性はある
多くの古参幹部の発生要因は、「役職永久欠番慣例制度」がもたらす人間のエゴの結果です。
古参幹部は創業期に入社し、社長と苦楽を共にし、会社に安定期をもたらしてくれました。規模の違いはあれど、大いなる貢献者として「一時代の栄華」を味わいます。そして会社が成長期に入り、規模的拡大が進むと本人の成長が止まります。徐々に仕事のミスを認めなくなり、新しいやり方にもチャレンジせずに、主張するのは自分の役職と経験だけ。特に成長企業に見られる光景です。
■企業規模が30人を超える頃から現れる鬼門
中小企業の経営者は従業員数が15人を超えた頃から組織図を作りたがります。そのときに部門長の大役を仰せつかるのが、現場の仕事を一番できる人です。本来ならマネージメントをできそうな人を選ぶのがよいのでしょうが、人の多くない中小企業にはそんな余裕はありません。
それに輪をかけたようにマネージメントとは初対面の方が部門長になることが多い。やり方がわからず、暗中模索状態になり、最終的に自己流でやるからうまくマネージメントが執れなくなります。そこに会社の成長が始まると、得意とする現場仕事の変化に対応できずに袋小路に入り込んでしまいます。
■人間性を否定されるから古参幹部になる
本人の性格が素直な方で「人を認めること」ができる人なら古参幹部にはなりません。何でも自分が一番の体裁を整えようとすると人間のエゴが出始め、最終的には会社にいられなくなります。仕事のミスは否定しないが、人間性を否定されるようになると、古参幹部になる、と言えます。
■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
http://www.m-a-n.biz/
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