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【社会が変われば、全てを変える 全4回】 -④「チームは全員で動かす時代」(小池浩二)

小池浩二の【プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ(65)
【社会が変われば、全てを変える 全4回】
第4回目「チームは全員で動かす時代」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

■リーダー役はリーダーだけのものではない

リーダー役はリーダーだけのものではありません。いわゆる「部下」の立場から発揮されるリーダーシップもあります。

そもそもリーダーシップとは、リードするスキルであり、周囲を巻き込み、引っ張っていくことです。
メンバーが、自分の担当する業務に関してチームに働きかけ、チーム目標に貢献していくことです。

この貢献の仕方に、次の3つがあります。
○チームリーダーとしてのチームを動かすことへの貢献の仕方
○サブリーダーとしてのチームを動かすことへの貢献の仕方
○チームメンバーとしてのチームを動かすことへの貢献の仕方

基盤が脆弱なチームの特徴は、ある特定の人にしかできない業務が多すぎることです。日常業務、管理業務でもしかり。これは何を意味するのか? それはリーダーシップ、マネジメントが一方向からしか発揮できていないことを意味します。

たとえば、会議でよく起こっている事象で以下のことがあります。
司会進行は部長。部長の携帯電話にお客様から電話がかかる。そうすると会議が中断し、部長が戻るまで会議は始まらない。

一方向からしか発揮できていない典型的な例です。

■全社員参画がポイント

古くから「リーダーは生まれるものであって、つくられるものでない」といわれてきました。これは政治家・武士の話であり、天命としてのリーダーです。確かに生まれつきリーダー的性格を持っている人はいます。学生時代にクラブ活動のキャプテンや生徒会会長はその一例です。

しかし多くの会社のリーダーは大多数が後天的な役割をしてのリーダーであります。持って生まれた性格と後天的な役割認識としての資質は違います。後天的な役割認識とは自分がチームのリーダーとしての自覚があるかどうかです。そしてこの自覚を時代変化に合わせて対応させることで成果を出せるようになります。

今のチーム運営の環境はリーダー一人ではなく、全社員参画でチームを動かすことがポイントです。プレイングマネジャーの特徴は現場の仕事が一番できる人が担当しているケースが多いことです。しかもチームを動かすマネジメント業務もほとんど一人で実施しているケースが多い。

このようなチームはリーダーとメンバーの差がありすぎて、リーダーへの依存度が高く、リーダーこけたら皆こける状態に陥りやすい。リーダー一人があくせくやってもしょうがありません。全メンバーが自分の役割に対してあくせく努力するから、結果として目標が達成できやすいのです。

参画とは自ら考え、判断し、行動し、責任を取ることです。ただ単に会社にいるだけの人在を育ててはいけません。自ら考え、判断し、行動し、責任を取る人財をつくるためにも、全社員参画型のチーム運営スタイルを構築しないといけません。

 

継栄の軸足

 
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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
  http://www.m-a-n.biz/ 
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