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政権再編物語⑤ 三沢 明彦

政権再編物語⑤

 平成の司法改革の柱は、閉鎖的な世界に普通の人の目線を反映させることだった。戦後の検察審査会は「国民のチェックを受けた」という体裁を整える“制度的アリバイ” にすぎなかったが、平成21(2009)年に強制起訴が付与され、無作為選出の審査員11人のうち8人が2度起訴相当と議決すれば、裁判を開かなくてはならなくなった。検察が独占する起訴権の岩盤に穴が開いたきっかけは、8歳の少年が犠牲になった交通事故だった。

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