【講演録】清話会セミナー 大阪◆2023年07月13日(木)
「〝獺祭〞という ブランドについて」
~現代だから出来る伝統産業の形~
講師:桜井 一宏 氏 (旭酒造株式会社 代表取締役社長)
1976年 山口県周東町生まれ。早稲田大学社会学部卒後、㈱平和入社。
2006年 旭酒造㈱入社、常務取締役就任。
2013年 旭酒造㈱取締役副社長就任。
2016年9月 旭酒造㈱代表取締役社長就任、現職。
山口県で、獺祭というお酒を造っている旭酒造の桜井と申します。今回は、私どものブランドについてお話をさせていただきたいと思います。
獺祭を作っている酒蔵は山口県岩国市の山の奥にあります。酒蔵の屋上から見ても、ぐるりと四方を山に囲まれていまして、少し人家が見えてもその半分は人が住んでいないような、そんな小さな村の中に私たちの酒蔵はあります。
そんな何もない地域で作っている獺祭というお酒ですが、日本酒業界全体が昭和49年からずっと売上が下がっている中で、おかげさまで非常に好調に伸ばさせていただいております。ただ、獺祭というお酒が登場して、いきなり売上が伸びて今の市場を作ったのかというと、そうではないということを知っていただきたいと思い、その辺りをお話しいたします。