経済動向最前線 熊野 英生 [ 特集カテゴリー ]

背伸び経済の欠点 [ 第40回 ]

 政府の経済見通しは常に強気と相場は決まっている。2017年度は実質1.5%、名目2.5%である。16暦年の速報では、実質1.0%、名目1.3%と見通しに達していない。

 

 もっと先々の政府の中長期試算では、経済再生ケースとして、18~20年度実質2.0%、名目3.5%とさらに強気だ。人口の先行きは毎年▲0.45%ずつ減少することが見込まれているので、政府の見通しを実現するには1人当たり名目成長率が毎年4.0%程度にならなくてはいけない計算だ。

 

 日銀は、金融緩和で2%の物価上昇を実現すると言っているが、これを信じている民間人はほぼいない。政府の成長戦略は、4年前に比べて完全に熱が冷めた気がする。数字だけが極端に背伸びをして、皆が改革を信じなくなっている。

 

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