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「働くとは、会社とは」(谷口碩志)

谷口碩志の「会社は人から」第46回
「働くとは、会社とは」

谷口碩志氏 (クリエイトマネジメント協会代表取締役)

長年研修のお手伝いを進めていまして、働く事の価値観、会社に所属するという価値観も時代の変転と共に、大変多様化してきたように思います。

それにつれて研修のあり方も多様化しています。

いま、官民挙げて「働き方改革」が模索しながら、進められています。

私は、今から40数年前のことになりますが、当時、相談役・会長であられた松下幸之助翁と文字通り二人で、半日ほどご一緒させて頂き、直接その形骸に触れ、薫陶を受けた夢のような時間を持つと言う千載一隅,万載一隅の機会に恵まれた経緯を持っています。

その折のご縁が、今日の私のこの50年余に亘る、マネジメントに対する理念・思い、経営哲学を形成しているといっても過言ではありません。

さて、その「働き方改革」と称して いま、各業界、各分野で 働き方について喧々諤々と論議されています。

私自身に取っても、この問題は、私の仕事である社員研修の在り方にも大変影響し、当然、興味もあり、各方面で学んでいるところです。

そのような時機に、いま、研修で 時折資料として使わせて頂いています幸之助翁の「働くとは、会社とは」、の見解についてもう一度、ひも解いてみました。

ここにその幸之助翁の、「働くとは。企業とは」の資料を御案内させていただきます。御参考下さい。

■松下幸之助翁の、「働くとは、会社とは」

1.「自分は月給に縛られている。8時間働いたら後はおしまい、というような動物園の虎みたいなことを考えていてはダメです。それよりも、自由活発に、この仕事は、自分の稼業だ、社員稼業だ、と考えにたてば、知恵も3倍にも、10倍にも開けていくだろうと思います。
商店の主人ならば、技術のことも、経営のことも、人事もお金の心配も、みな一人でやっているわけです。社員も、単に月給をもらって使われているのだ、というのではダメです」

2.「趣味と本業を決して混同してはならない。本業はあくまで本業。趣味はあくまでも趣味です。もし、本業よりも趣味が好きだと言う人は、むしろ、趣味を本業にした方が、その人のためにもよいと思う」

3.「会社を何よりも大切にして頂きたい。皆さんの体と同じように大切にして頂きたい。自分の体が大切であれば、会社は、自分の体を包んでくれる入れ物である。この入れ物を壊してはならない、と言う一体感になっていただきたい」

4.「自分の仕事に、生命を賭けるというような気概を持つことが、いかに尊いものであるか。そういう気概を持てば、自分の信念をもって仕事をすることができるでしょう。そして、そうした一人の目覚めが、10人、20人そして、会社全体に及び、社会にも及ぶのです」

「働き方改革」の模索の中で、松下幸之助翁の、「働くとは、会社とは」を含めた仕事感は、企業人に取っての永遠のテーマではないかと思います。

XY理論,そして、マズローの法則の5段階の5の最上段に位置する「己の能力を傾注しこの人生の充実感を味わいたい」という「自己実現の欲求」分野を再度研究し、この人生を歩む中で、どこに尊いかけがいのない自分の人生をかけるのかを問う機会にしたいと思っています。

私の「働き方改革」のテーマでもあり、色々と模索、研究しながら、今後の日本の在り方と、ご縁の企業様のご発展、そして相関関係にある社員の方々の幸せづくりのお手伝いにと、切に思います。


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清話会 谷口碩志 (たにぐち みつゆき)
昭和18年5月大阪市生まれ。昭和42年関西学院大学卒業後、3年間の商社勤めから経営コンサルタント会社へ転身。約9年間在籍、その間海外の企業実態調査のため欧米・中南米・アフリカ・共産圏・東南 •アジア諸国など40数回の渡航歴を数える。昭和53年、経営コンサル会社を創設、代表取締役に就任。

・クリエイトマネジメント協会 http://www.cmajapan.co.jp/

・谷口社長のブログはこちら http://blog.livedoor.jp/senba206/