【リーダーシップ・マネージメントの誤解 全4回】
第2回目「P・D・C・Aサイクルとは回り続けること」
小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
■中小企業ではCheckとActの機能が弱い
目標未達には、次の3つの原因があるといわれます。
●計画段階の不備……行動はしたが方向を間違えた
●実行体制・能力・行動力の不足……方向は正しかったが実行力不足
●マネージメント力量不足……チェック・アクションが働かない
この3つの原因を解決する方法として、「P・D・C・Aサイクル」という基本サイクルがあります。それぞれに、Plan(計画)・Do(実施・実行)・Check(点検・評価)・Act(処置・改善)の意味があります。
中小企業では特にC・Aが弱い。その原因は色々がありますが、Plan(計画)の視点で考えると、Plan(計画)の作り方にも問題があります。
●Plan(計画)……従来の実績や将来の予測などをもとにして業務計画を作成する。
①「目的は何か」
②「目標をどこにするか、基準数値の決定」
③「目的・目標を達成する方法を決める」
この3つを決めてないと次のDに移れない
●Do(実施・実行)……計画に沿って業務を行う。
① やるべきことの優先順位・重要度を意識して行動すること
② 実施に当たって、命令するだけでは現場は動かないので、教育訓練も行う
③ マネージャーは決まったことを決まった通りにやらせることがポイント
●Check(点検・評価)……業務の実施が計画に沿っているかどうかを確認する。
① 方針・計画に対するチェック、途中工程でのチェックを行動と成果面でデータとして集計、測定する
② 目標と対比し、その成否・要因を評価・分析し、対策を立てる。
●Act(処置・改善)……実施が計画に沿っていない部分を調べて処置をする。
① うまくいった仕事は、そのまま標準化すると共に定義化を図る
② 目標と結果のズレが出た時は、原因究明と応急対策
③ 再発の可能性がある場合には、仕組みとしての再発防止策を検討する。
中小企業では特にCheck・Actが弱い。その原因は色々がありますが、Plan(計画)の視点で考えると、Plan(計画)の作り方にも問題があります。
目的は何か、目標をどうするのか、目標を達成させる方法を具体的に決めないとCheck(点検・評価)がやりにくくなります。
このP・D・C・Aの基本解釈はサイクルであることがポイントです。サイクルとは回り続けることで、「社員の日常活動、基本動作」になっていることです。
経営コンサルタントを27年やっている経験からみえることは、計画段階の不備による目標未達は非常に少なく、能力・行動面やマネージメントの力量不足が多いと感じます。
このような視点からも目標達成には、チーム・メンバーをコントロールするマネージメントアクションが必要です。目標を掲げ、正しいプランを作り、その通りに行動したとしても、多くの場合は予定通りにいきません。
これが仕事です。ものごとは予定通りにいかないから、「計画・実践・現状確認・軌道修正」の概念に基づく仕事の技術としてのP・D・C・Aサイクルがあるわけです。
サイクルは回り続けることでその効果が発揮できます。回るとは、日常業務のなかでスムーズに運営されることであり、回り続けるとは、社員の日常活動、基本動作になっていることです。
■業績を上げている会社のP・D・C・A
今は、戦略の時代です。中小企業の戦略展開のポイントは、戦術・戦闘を機能させるから戦略の効果が発揮されることにあります。つまり、優れた戦略だけで戦略の効果は発揮させるのは難しく、戦術・戦闘の基盤がどうしても必要となります。
この戦術・戦闘とは、わかりやすく説明するとP・D・C・Aサイクルを回すことです。
P……目標
D……実践
C……チェック
A……軌道修正
の4つの機能を動かすことが必要です。
業績を上げている会社のP・D・C・Aには、3つの共通項があります。
・全員がチームの目標を知っている
・全員が現時点でのチームの業績数値を押さえている
・差額対策を全員が自分の立場で考えている
この3点を現場で実践している会社・部門は業績がよいです。目標達成のマネージメントアクションとはチーム・メンバーをコントロールすることです。
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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
http://www.m-a-n.biz/
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筆者 小池浩二氏が
【プレイングマネージャーの仕事術】の概論を
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