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【チームを全員で動かすために必要なチームリーダーのスキル 全4回】-③「リーダーがメンバーに植え付ける問題解決の思考回路」

小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ(36)
【チームを全員で動かすために必要なチームリーダーのスキル 全4回】
第3回目「リーダーがメンバーに植え付ける問題解決の思考回路」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
 
■問題を多くに人に見せる工夫
 
問題のない会社はありません。だから、仕事は問題解決であるといわれます。

仕事では、その持ち場で発生するあらゆる課題、問題を適切に解決していくことが求められます。そのためには、常日頃から積極的な問題意識を持ち、実務知識を活かして状況に応じた適切な問題解決が図らなければ、会社の発展はありません。

リーダーがある状況について、
「これは問題であり、解決すべきだ」
と考え、説明しても、メンバーから
「それは別に問題ではないのではないか?」
「確かに問題だけれども、もっと大事な問題があるのではないか?」
といった反応はよくあります。

チームとして問題解決を実践するときにリーダーに求められるのが、「目指す状態を共有させること」と「現状を“見える化”にすること」です。
問題解決の思考プロセスがチームに定着すれば、解決実行力は高まります。

そもそも仕事の問題には、正解がない同じ状況でも人によって、置かれた立場の違いや状況によって問題の捉え方は大きく異なります。一人ひとりが問題にしている問題を「いかに共通な問題にしていくか」というプロセスが必要になります 。

問題のない会社はどこにもありません。そして問題は誰にでも見えるわけでもありません。だから、問題を多くに人に見せる工夫が必要となります。

■問題は問題を見せる事から始まる

誰かの目を通してのみ問題となるのではなく、メンバー共通の問題として捉えられるようすることです。問題の基準が共有化されなくては、何を問題とするかがバラバラになってしまいます。基準が共有化されてこそ、現状に対しての問題を共有化できるチームに成長するのです。

現場でよく発生する基準に関する問題現象の5点
〇それでよいと思っていた……基準が不適当
〇これぐらいで大丈夫と考えた……基準が曖昧
〇まさかと思っていた……基準がない
〇うっかりしていた……基準どおりにしていない
〇知らなかった……基準を教えていない・知らない

会社は人間動物園であり、一人ひとりの基準の意識には差があり、チームとして目指す目的や期待する目標をすり合わせる必要があります。

問題とは
〇よくない状態
〇悪い状態
〇もっとよくできると思う状態
〇迷惑をかけている状態
等をいいます。

基本的に「目標・理想・在るべき姿」があるから、現状と比較するとギャップが出て、問題点は生まれます。
業績のよいチームの基準における特徴は
① 目標、② 現状、③ 差額・ギャップ
の3点をメンバーが業績基準として理解しているから、打つべき手がズレません。ズレないから業績を上げやすくなります。

■問題を意識することを高める

問題を意識するには、次の4点が重要です。
〇そのことについての知識・経験があること(知識・経験)
〇目的や目標が何であるかを知っていること(目的意識)
〇それが自分の問題であると感じること(役割認識)
〇自分が何とかしなくてはならないと感じていること(当事者としての自覚

組織運営とは、チームの目的・目標達成に向け、リーダーがメンバーの力を活用して業績を上げることです。組織そのものには、1つの共通目的・目標に向かって人の能力を結集されることが運営のポイントです。ゆえに、組織には、人が動きやすくするために共通の価値観が必要となります。

リーダーは組織に必要な共通の価値観を訴え続け、組織・メンバーに共通の価値観を意識させることが必要であり、それが上記の目標・現状・差額ギャップ。チームの目指すものは何かという目的意識があるから、その中で自分は何をすべきかの意識が出るのです。

問題のない会社は世の中に1社もありません。どの会社も問題点だらけであり、だから昨日より成長する可能性を秘めているのです。

 
 
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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
  http://www.m-a-n.biz/ 
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         筆者 小池浩二氏が
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