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【シェアの奪い合いが生存条件になる時代が到来 全4回】-④「ライバルの視点」(小池浩二)

 

小池浩二氏の [継栄の軸足] シリーズ (38)
【シェアの奪い合いが生存条件になる時代が到来 全4回】
第4回目「ライバルの視点」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

■担当者同士の戦いがシェア率の奪い合いの本質

縮小型社会の特徴は、ビジネス対象マーケットにおける対象見込み客数が減ることによる量の確保が戦いのテーマとなるが、その解決策は難しい。そうなると、マーケットに顧客増加が期待できないので、既存顧客でのシェアの奪い合いがテーマとして注目される。

既存顧客における自社の取引シェアを表すのが、インストアシェアだ。
顧客の発注金額合計が100でライバルAに50、Bに30、自社に20とすると、自社のインストアシェアは20%となる。このシェア率の奪い合いが本格化している。

インストアシェアは売上高実績で表すが、これはあくまでも結果であり、大事な点は、顧客に対する攻撃量の厚み・数量によってインストアシェアが決定づけられることにある。特に、インストアシェアアップ対策として即効性があるのが、顧客に対する攻撃量の厚み・数量の弱いライバルへの対策であり、この仕掛対策によって、売上を落としている企業も出始めている。

特に、貴社の重点顧客・Aランク顧客で売上高を落としている顧客があれば、ライバルのインストアシェアアップ対策が原因で落ちているがどうかを確認すべきである。

本当のライバル対策は企業対企業よりも、担当者対担当者の戦いが本質である。この戦いに負けるからインストアシェアの減少が始まる。つまり、担当者レベルの攻撃量の厚み・数量が落ちると狙われることを理解して、対応すべきである。

■顧客もライバル

戦略を組み立てるときは、必ず外部環境の把握のテーマが必要だ。

① 自社業種の現状と将来像をよく把握する
② 規制緩和の状況、動向を意識して経営を行う
③ 顧客の変化、市場の変化をよく見極める
が基本。

顧客・市場特性は「今お付き合いのある顧客の変化、市場の変化」をよく見極めることである。

成熟化社会に縮小社会、そして世界経済環境の大きな変化で成長する市場は少ない。少ないということは、需要が少なくなることを意味する。

つまり、同業者間でのシェア争いが激化する。100の需要で業者が10社でわが社シェアは20%。これが80の需要となれば、わが社シェアは20%で16になるかといえば、そうならない。当然、発注者側は条件を見直すし、同業他社も条件提示で必死になる。場合によっては20%以上の可能性もあるし、それ以下もある。いえるのは、20%ではないということだ。
 
現在の環境は外部環境=シェア争い。言い換えれば、顧客・同業者間とわが社の三角形の関係で優位性を保つ品質・納期・技術・価格等を持って、顧客・同業者間をリードしなければ、勝てない時代である。 

つまり、ライバルは同業者だけでなく、顧客もライバルである。

 

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