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「21世紀型のチーム運営スタイル(シェアドマネジメント)全4回」-③「リーダー役はリーダーだけのものではない」

小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ(40)
【21世紀型のチーム運営スタイル(シェアドマネジメント)全4回】
第3回目「リーダー役はリーダーだけのものではない」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
 
■リーダーシップはチーム全員に必要

リーダー役はリーダーだけのものではありません。いわゆる「部下」の立場から発揮されるリーダーシップもあります。そもそもリーダーシップとは、リードするスキルであり、周囲を巻き込み、引っ張っていくことです。
メンバーが、自分の担当する業務に関してチームに働きかけ、チーム目標に貢献していくことです。

この貢献の仕方に、次の3つがあります。

○チームリーダーとしてのチームを動かすことへの貢献の仕方
○サブリーダーとしてのチームを動かすことへの貢献の仕方
○チームメンバーとしてのチームを動かすことへの貢献の仕方

基盤が脆弱なチームの特徴は、ある特定の人にしかできない業務が多すぎること。日常業務、管理業務でもしかり。
これは何を意味するのか? それはリーダーシップ、マネジメントが一方向からしか発揮できていない、ということです。

たとえば、会議でよく起こっている事象で以下のことがあります。
司会進行は部長。部長の携帯電話にお客様から電話がかかる。そうすると会議が中断し、部長が戻るまで会議は始まらない。一方向からしか発揮できていない典型的な例です。

■リーダーシップは訓練すれば身に付くスキル

リーダーシップとは、リードするスキルであり、周囲を引っ張り、巻き込んでいくことです。このケースなら、部門のNo.2であるサブリーダーが司会進行をすればよいだけですが、やらないのではなく、できないのです。

○社長がいないから……
○部長に聞かないとわかりません……
○リーダーから教えてもらっていません……
○標準化ができていませんから、私たちはできません……
等と、このようなケースは、いろいろな現場場面で見受けられます。

本来、チームを目標へ導くことはリーダーの役目だと思われますが、チーム内で価値判断基準や目標が共有化されていれば、サブリーダーでもメンバーでも自分が担当する業務についてリーダー役を発揮してチームを目標達成に導いていくことが可能となります。

■メンバーシップを大切にする

メンバーシップとは、メンバー全員がリーダーと同じ気持ちの組織を目指す考え方。組織が出す結果に対して「リーダー」が及ぼす影響力は1~2割といわれ、「チームメンバー」が及ぼす影響力は8~9割との調査があります。つまり、組織改革を始めるのはリーダーですが、完遂させるのはチームメンバーです。

組織・リーダーに対するメンバーの主体的協力が成果を出すポイントになっている時代です。

■メンバーシップの効果

メンバーシップがリーダーやチームメンバーに対して、働き始めると、以下の効果が出ます。

●指示待ち的な姿勢が、自律的に考えて行動する姿勢に変わる
●人間的な好き嫌いに依存することなく、上司と仕事をするようになる
●上司の立場で考えることにより、マネジャーとしての予備的訓練になる
●一匹狼的な動きが、他メンバーと協働する動きに変わる

メンバーが自律的に動くことで、スピード変化に対応し、「自ら考える組織」へと変わるといわれます。数多くの企業を見ていると「業績」は組織メンバーの意識と行動によって決定づけられることがよく分かる。

メンバーが、どれだけ自社・自チームの業績についての関心を示し、目標達成の意欲を抱いているか。また1人ひとりが、チームのことをヒトゴトでなく自分のこととしてとらえ、よりよい成果を求めて対応の行動を迅速に起こしているか。すべては意識レベルと行動力によって決まります。
だから「人を育てるとは、意識と行動を変えること」でもあります。

■意識を変えさせる職場・上司の接し方

意識を変えさせる職場・上司の接し方として以下の方法を参考にしてください。

●メンバーが行う仕事の意味や意義を伝える
●自社の仕事と社会との関連性を様々な視点からとらえさせる
●目標の到達ステップを明確にして、途中の小目標を設定する
●意思決定に参加させる
●仕事に慣れた頃に、新しい課題や 仕事を与える
●成果発表の機会を設ける 等

結局、この意識とは、働かされている意識を取り除くことに尽きます。

 
 
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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
  http://www.m-a-n.biz/ 
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         筆者 小池浩二氏が
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