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【チームリーダーは動かす技術を身につけよう 全4回】-②「リーダーはチームの案内人」

 小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ(43)
【チームリーダーは動かす技術を身につけよう 全4回】
第2回目「リーダーはチームの案内人」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

■プレイングマネジャーとは

マネジメントを専任でやる人をマネジャーといい大企業にみられるケースです。それに対し、プレイングマネジャーとは、自分で現場の仕事も担当を持ちながら、マネジメントもこなす役割で、中小企業にみられるケースです。

サッカーで例えると、グラウンドでボールを蹴りながら選手交代等の作戦展開を考える人ですが、現実的にサッカーの世界には誰もプレイングマネジャーはいません。

もし、あなたがサッカーチームのプレイングマネジャーとしてピッチに立って、息をゼイゼイさせながら走り、選手交代・作戦展開を考えられますか?

それだけ両立させることが難しい役割です。

■能力がないのではなく、経験したことがないだけ

あなたは組織を運営する際に必要なリーダーシップやマネジメントを義務教育の中で、学校の先生に教えてもらいましたか? 

答えは「ノー」のはずです。日本の義務教育カリキュラムにはないからです。ないから、社会に出て、その立場になり、ぶっつけ本番で初めてリーダーを経験するわけです。

大手企業は役職の昇格に伴い、様々な研修を受けて、準備に備えます。しかし、中小企業にそんな余裕はありません。だから人・組織を動かす際に中小企業特有の共通問題が発生するわけです。

その、人・組織を動かす中小企業特有の共通問題は次の4点に集約できます。

◆共通問題1 基本動作ができていない
基本動作というのは、息を吸ったら吐くようにできないと組織では、仕事になりません。特にできていないのが、報告・連絡・相談と指示命令です。人を動かす基本動作ができていないので、動き方が混乱をきたすわけです。

◆共通問題2 決め事を守らない、守らせない習慣
やるべきことをキチンとやる習慣がないと何を考えても無駄となります。特に、決まったことを決まった通りにやることは業績を決定付ける要因のひとつです。この理解ができないチーム、メンバーには、業績のご褒美はやってきません。

◆共通問題3 数値使って判断する習性が付いていない
日本語で1番正しい言葉は数値、数字・数量、期限です。数値を使わず、仕事をすると「あれはどう」「これはどう」のやりとりになり、具体的な行動ができずに成果は出てきません。

◆共通問題4 チームに目標はあるが、具体的な手順がないために起こる問題
手順とは、灯りをともす役割です。チームに方向性・手順があれば、進みやすい。道順を示さないと寄せ集め集団のチームは組織で動く基礎固めができていないから、バラバラ集団になりやすい。

組織は、1つの共通目的・目標に向かって人の能力を結集されるところに運営のポイントがあり、チームを組織的に運営するためには、環境整備が必要です。

○チームのマネジメントの方法を決めたり
○チームの効率化を図るために仕事の標準化を行い、教育したり
○メンバーが決まったことを決まった通りに実践したり
○基本動作を守る等の人を動かしやすくするために会社のインフラを整備する

組織は人が動かします。人が組織を動かしやすくするためには、やるべきことをパターン化することです。やるべきことのパターンを決めないから、習慣化できずに定着しません。

つまり、習慣化させるためには環境整備が必要となるのです。

■動かす技術を身につける

チームリーダーは動かす技術を身につけることです。動かすとは人を動かし、チームを動かすことです。プレイングマネジャーであるチームリーダーの最大の仕事は「動かす技術」に集約できます。

大企業は組織が人を動かすが、中小企業は人が組織を動かしていきます。動かすとは人を動かし、チームを動かすことであり、そのためにチームに必要な仕組みをつくり、習慣化させて、動かしていくことです。

組織運営の最大のポイントはパターン化することです。組織運営とは、「チームの目的・目標達成に向け、リーダーがメンバーの力を活用して業績を上げる」ことです。

組織には、人が動きやすくするために共通の価値観が必要になり、それが乏しい集団は烏合の衆に陥りやすい。だから、リーダーは組織に必要な共通の価値観を常に訴え続け、組織・メンバーに共通の価値観を意識させることが必要となります。パターン化することでメンバーが行動しやすくなります。行動し、継続すれば習慣化になり、一つ一つのやるべきことの習熟度が増し、精度が上がります。

やりなさい、動きなさいとよく耳にします。しかし、うまくいかない理由にやり方がわからない、やり方のバラバラさがあります。これを払拭しないとプレイングマネジャーだけで組織を動かすようになり、成果はでにくい。

つまり、全員でチームを動かすプレイングマネジメント体制のスタートラインに立てません。チームに必要な仕組みをつくり、習慣化させて、動かしていくことです。

 
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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
  http://www.m-a-n.biz/ 
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         筆者 小池浩二氏が
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     http://www.m-a-n.biz/8-1-0.html