中堅・中小企業のプレイングマネージャーの仕事術メソッド 小池 浩二 [ 特集カテゴリー ]

中堅・中小企業には、業績を創る黄金法則がある [ 第3回 ]

※今回は説明している内容を動画にて視聴できます。

 

業績をつくる黄金法則

 

中堅・中小企業には、業績を創る黄金法則があり、その流れは、①部門方針、②商材戦略、③戦術、④戦闘、⑤環境整備の5つのポイントがあります。

 

 

 

 

■部門方針

 まず、会社全体にかかわる方向性を示すのが経営方針。この経営方針の流れに沿って部門の方針を示すのが部門方針ということです。部門方針は3カ月を1クールと考え、チームの進み方を示します。この進むべき道順を示す機能はチームリーダーとチームNo2で担当します。

 この部門方針が機能しないと進むべき道順がわからないチームになります。現場での活動量はあります。しかし、残念なことにチームの進むべき道順がわからないので各メンバーが自分の判断で業績目標にチャレンジしている状態です。チームとしてバラバラで統一態としての成果が出にくく、効率性、再現性に乏しくなります。

 

 

■商材戦略

 次に商材戦略となります。商材戦略は商いの材料であり、差額商材を創る戦略です。部門方針を打ち出すのと同時に商材戦略も立案しなければいけません。やるべき仕事はたくさんあるが、これから向こう3カ月間で重点として取り組む仕事はなにか? これがイコールで部門方針となります。それに対して、商材戦略とは業績目標への対策を考える事です。商材戦略の商材というのは商いの材料であり、業績目標への対策を創る戦略です。商材戦略は、

  • 業績目標計画を達成するために
  • その差額・ギャップ・不足分を明確にして
  • 根拠ある商材をつくり
  • その実践具体策を練る事です。

営業、製造、間接部門共に目標があります。その目標に対して現状を見た場合に、差額やギャップや不足状態が必ずあります。その差額・ギャップ・不足対策を考えるのが差額商材をつくるという視点です。

 商材戦略が弱いチームは、現実の数字をつくる具体策が弱くなります。チームの方向性はありますが、現実の数字をつくる具体策が弱く、業績に貢献しないルーチンワークの日常業務に追われた振りをするのが上手くなります。商いの材料がないわけですから、堅実にやっているつもりでも成果は出にくい状態です。

 

 

■戦術

 戦術は人を動かす方策であり、決め事をキチンとやらせる事です。業績対策の部門方針と商材戦略を現場で実践していく方法を検討し、決める事が戦闘機能です。当月の1~31日までにやるべき事を「誰が、何を、いつ迄に、どのような方法で」の形式で具体的に決定事項をつくる事です。成果を上げるためにやるべきことを準備し、どのように人を動かすかを決めていくのが戦術の役割。そのポイントはやり方を決め、できるようにすることです。決め事をキチンとやらせるのは、リーダーの役割です。その前提となるのが、やるべき事の決定事項をつくることです。

 いくら会議・ミーテイングで検討しても「誰が、なにを、いつまでに、どのような方法で」やるのかが決まらなければ、明日から行動に移せません。いくら目標を決めても、方針を示しても、差額対策を検討しても、明日から動く決定事項がなければ、前進はしないのです。戦術の仕組みには、決定事項を管理していくシステムが必要となります。この部分に着目していない会社・チームは多いと思います。決め事とは人を動かす第一歩です。チームで今月やらなければならない決め事を全員が共通認識として持つ事です。

 

■戦闘

 戦術機能で1か月間のやるべき事が具体的に決定事項として決まります。それに従い、全員が役割分担に基づき、決め事を決まったようにやる事が戦闘の重要な機能。戦闘とは実践力です。目標を達成させるために、日々の仕事に対し、やらざるを得ない仕掛けをつくり、やらせていく方法です。決まった内容を決まったようにやらせていくというのが戦闘であり、役割分担による日常業務・具体策の実践です。チームリーダーを含め、全社員が努力して実践する事です。業績の良い会社は、決め事を守る意識が高い。高いから「守らせる事」に労力を注がなくて済みます。結果、他の事に注力できるから、業績も上げやすくなります。組織は人が動かす。人が組織を動かしやすくする為には、やるべき事をパターン化する事です。やるべき事のパターンを決めないから、習慣化出来ません。戦闘がないチームの特徴は、笛吹けど踊らない状態のチームです。経営は最終的には実践の勝負です。決まった事を決まった通りに出来ないチームには、業績のご褒美はやってきません。

 

■環境整備

 そして、業績をつくる黄金法則を、チームとしてできるようにする為の環境にする事です。基本動作やメンバーの仕事スキルアップやマネージメントシステム構築等で働きやすい職場を整備していきます。環境整備がないチームの特徴は、学習能力が弱いチームです。現場での仕事は、繰り返し行う規則性の仕事が70%を占めます。学習能力を高めないと同じ失敗を繰り返すたり、チーム運営や現場業務の仕事のレベルが上がらず、リーダーに依存しすぎるチームになります。

 

 

■黄金法則の流れ

 業績対策は部門方針、商材戦略を検討・決定します。それを明日からどのように具体化していくかを考えて、決定事項をつくるのが戦術です。次に現場で戦闘を行う実践となります。現場が動き出すと、必然的にプランのやり直しがでます。その時に戦術の組み直しと戦闘のやり直しを行う軌道修正が必要になります。そして、月末を迎え、次回にやりやすくしていく為に環境整備を図る流れとなります。黄金法則通りになかなか進まない背景として、中小企業が抱える体質特性とプレイングマネージャー体制にあります。戦略だけでは、業績は上がりません。チームを動かすリーダーの方々は、部門方針・商材戦略、そして全員を巻き込んでの戦術・戦闘という流れをきちんと自分の中で整理・体系化し、チームに共有化させていただきたいです。

 

 

 

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