前回は、高度成長期までの人事制度の変遷について触れました。この高度成長期の人事システムは、産業構造が大きく変化した1995年以降も厳然として残り続けます。
国政調査によれば、日本の産業構造は以下のように変化しています。
第1次産業(農業・林業・水産業など)が中心だった日本の産業は、1950年~70年頃の高度経済成長期を境に、第2次産業(鉱工業・製造業・建設業など)、第3次産業(商業,金融業,運輸業,情報通信業,サービス業など)へとシフトを始めます。
第1次産業は大規模な組織力を伴わない業態ですが、第2次産業は人事制度無くしては企業が成り立たない「ライン系」の事業です。これに対し第3次産業はその両方が混在しています。家族経営の小売店などは、第1次産業と同様に人事制度を必要とはしません。一方、システム開発や通信業、サービス業や流通業といった業態は、人事制度を必要とし、その制度の成否が業績や事業規模を左右すると言っても過言ではありません。
閲覧にはログインが必要です。→ ログイン.