【時代に取り残された古参幹部 全4回】
第3回目「古参幹部が生まれやすい会社と人の特徴」
小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
■急激に成長している会社
会社の成長は経営者の成長スピードに比例するが、社員の成長スピードには比例しません。
会社の規模が
・5億から10億へ
・10億から30億へ
・30億から50億へ
・50億から100億を目指すときには、組織運営のギアをチェンジしなければなりません。
そのときに創業以来、共に頑張ってきた幹部が権限委譲、公私混同の是正、公開経営等の運営方法の変化に対応できないことが多く、役職パワハラでメンバーを押さえつける兆候が出始めることがよくあります。
■情に厚すぎる社長
会社の急激な成長で創業幹部の成長が遅いことを経営者は自覚しています。情に厚い経営者は我慢強く辛抱しますが、中堅・若手社員の目が気になり日々悩みます。
何かにつけ、舵取り方法の大きな変化を求められる会社の成長期では、会社内にギャップ現象が多発します。社長は決断する人であり、法人の立場で判断することが求められます。
■創業メンバーに対し、中堅・若手社員が成長している会社
創業メンバーと中堅・若手社員の仕事の力量の差がなくなっています。創業メンバーにマネージメント力がなければ、仕事の差がなくなり、上位に立つことが難しくなり、立場がなくなります。
このような現象が出始めると古参幹部が生まれやすい会社になりますので、注意しましょう!
■古参幹部に陥りやすい人の特徴
① メンツ主義思考のメンバー
メンバーの言うことを聞いてはメンツにかかわると一切耳を貸さず、自分1人で決めてしまう。リーダーが自分のメンツ(過去の実績に固執した)で部長風、課長風を吹かすようになると、部下は言われたことしかやりません。もしくはリーダーを中抜け状態にします。いずれにしても、生産性の上がらない 思考・方法です。
② わかったふりをするメンバー
会社の規模が5億から10億、10億から30億、そして50億、100億と伸びる。伸びると伸ばすは違います。自分の力だけで成長させたと思った瞬間から転落が始まります。わかったふりをしたときから会社・個人も滅んでいきます。
③ マンネリメンバー
マンネリとは、謙虚さをなくし、第三者の意見を素直に聞き入れなくなることから始まります。つまり、主要因は自分自身にあります。
謙虚さとは社員の恐ろしさ・お客様の怖さを知ることです。社員の恐ろしさとは常に人は成長していることであり、お客様の怖さとは期待に応えられなくなったら他業者へ交代させられることです。
④ 変化を拒むメンバー
今までの経験が役に立たない時代になっております。つまり、仕事の質を上げないと生きていけないように大変化しています。そのためには、仕事の内容を変化させることです。
⑤ 若くして偉くなったメンバー
創業年数が浅い会社に多いパターン。若くして要職に就くと変な勘違いを起こします。仕事の役割のみが人の優劣をつけるととんでもない勘違いを起こします。
⑥ 経営者を経営者と見ずに、個人の人間・オヤジと見るメンバー
社長に褒められることが仕事の第一の喜びと感じているメンバー。規模が大きくなっているにも拘わらず、創業時代からの社長と自分のスタンスを維持しようとします。社長も迷惑ですが、指摘ができていないケースが多いです。
■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)
実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
http://www.m-a-n.biz/
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