平成事件簿 三沢 明彦 [ 特集カテゴリー ] ,

「外国人強盗」(三沢明彦) [ 第22回 ]

平成事件簿-22
「外国人強盗」
 三沢明彦

平成13年5月初め、東北の霊峰・出羽三山のふもとで、血染めの包丁が見つかった。30キロ離れた山形県羽黒町の民家では一週間前、主婦(51)が刺殺された強盗殺人事件が起きている。逃走車から凶器を谷底に捨てようとしたのだろう。包丁は橋の欄干に跳ね返され、中国人安峰(21)の指紋が検出された。実行犯が特定されたことで、捜査本部には安堵感が漂ったが、現実は甘くない。頑固一徹の刑事物語はここから始まるのである。

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