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技術編「メンバーの動かし方シリーズ」第3回目「リーダーと同じ気持ちで考え・動くチーム」

小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ (20)

【プレイングマネージャーの技術編 「メンバーの動かし方シリーズ」 全4回】
第3回目「リーダーと同じ気持ちで考え・動くチーム」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

※これまでの記事は、こちら。

現在のチーム運営において、カリスマリーダーシップの求心力でチームを動かす方法は時代に合っていません。組織の目標実現に向けて、メンバーの主体的協力で動くチームが求められています。

そのためには、リーダーだけではなく、メンバーが目的や目標が何であるかを理解し、それが自分の問題であると認識されていること。そのうえで、自分がやるという自覚が求められます。

今回はメンバーがリーダーと同じ気持ちで考え・動くチームをご説明していきます。

■メンバーシップ

組織が出す結果に対して「リーダー」が及ぼす影響力は1~2割といわれ、「チームメンバー」が及ぼす影響力は8~9割との調査があります。つまり、組織改革を始めるのはリーダーですが、完遂させるのはチームメンバーです。

メンバーシップという言葉があります。分りやすく説明すると、組織・リーダーに対するメンバーの主体的協力のことです。メンバーが目的を共有化するチームを動かすためには、リーダーやチームメンバーに対して、主体的に働きかけることが求められます。

■メンバーの力を借りる仕事の進め方

メンバーの力を借りて仕事を進めるためには、仕事の遂行基準を決めることが必要となります。

仕事の遂行基準とは、仕事の具体的な進め方とその尺度を示すことです。計画された仕事について、その具体的な方法、レベル、量、時間などの標準や基準が明確に定められていると、仕事を任せる時に指示が統一しやすくなり、実行する際に混乱が発生しにくくなります。そして仕事の成果は、基準があることでわかりやすくなり、正しい評価ができます。

仕事の遂行基準が必要なものとして、以下の特性の仕事が挙げられます。

・繰り返して行われる仕事
・正確を要する仕事
・事故トラブルの多い仕事
・煩雑、複雑なやり方の仕事

このような特性を持つ仕事に対して、一定時間における仕事量・レベル、仕事の手順等の基準を決めておく。このように仕事をやりやすくするから、メンバーの力を借りることができます。

■リーダーがメンバーを動かす環境整備

メンバーシップの能力発揮はリーダーのメンバーへの触れ合いの仕方で決まります。

メンバーが動きやすい環境をつくり、メンバーの力を借りて成果を出すことが組織運営の要諦です。そのためのポイントを7点記します。

・仕事における一人一人の役割・関わりを、メンバーと話し合う
・自分が何を評価し、期待しているかを伝えている
・メンバーが自分で考え・判断して取組む仕事の機会を増やし、フォローする
・気になる報告連絡があれば、必ず何が起きているかを一緒に確かめる
・一人で仕事を抱え込まさずに、チームの問題として解決していく事を理解させる
・本人のレベルアップを認め、これからの課題を共有化する
・チームにとって必要な人財であることを伝える

ご参考にしてください。

(続く)

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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
  http://www.m-a-n.biz/
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         筆者 小池浩二氏が
【プレイングマネージャーの仕事術】の概論を
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     http://www.m-a-n.biz/8-1-0.html