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【プレイングマネージャーの技術編】「21世紀型のチーム運営スタイル」(小池浩二)

小池浩二氏の [プレイングマネージャーの仕事術] シリーズ (23)

【プレイングマネージャーの技術編 21世紀のチームの動かし方シリーズ 全4回】
第2回目「21世紀型のチーム運営スタイル」

小池浩二氏(マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

 

■マネージャーの仕事内容変化

既存商品を既存市場・顧客にぶつけるだけでは、全ての企業の売上高・粗利益率は低下します。中小企業では現在は新たに≪商品開発機能とマーケテイング機能≫が求められています。商品開発機能とマーケテイング機能とは、戦略の構築でもあります。

でも、誰がやるの???

経営者、役員は当然ですが、これだけではリソース不足。成熟社会に求められるマネージャーの仕事内容変化は、チームをまとめる以外に新たに、商品開発、技術開発そして販売エリア・チャネル開発等の戦略的な動きでチームに仕事、そして業績をもたらす仕事にチャレンジしていくことが求められます。

■生産性の高いチームと低いチームのマネージャー

生産性の高いチームのマネージャーは、「自分が今より一段上の仕事をするには、いま自分が抱えている仕事のうち、どの仕事を誰に任せればよいだろうか」と考えます。マネージャーの仕事をメンバーがやってくれれば、マネージャーはその分だけ別な「新たな仕事」「一段上の仕事」に、時間とエネルギーを費やすことができます。

生産性の低いチームのマネージャーは、「他の人間に任せるくらいなら、自分でやったほうがよっぽど早い」とマネージャー以外でもできる仕事をマネージャーがやるから生産生は低くなるのです。

■成熟時代では2種類の仕事が必要

中小企業に求められる機能は、単純にピラミッド型組織(営業・製造・総務経理を代表とする機能)だけでは、環境変化(マーケット変化・顧客・ライバル対策)に対してリソース不足になっています。

しかし、人を採用して求められる機能を遂行していく余裕はありません。今までなら、環境変化に対応する機能遂行はマネージャーに集中していました。しかし、現実プレーヤーとしての活動がメインなマネージャーに、環境変化に対応する機能遂行を御願いし続けても、会社も各マネージャーも疲弊し続けてしまい、よいことは何もありません。

このような環境変化に対応するために、組織で働く社員には、①現場の業務、②チームを動かす仕事、の2種類の仕事が求められています。

チームリーダーは、チームをまとめる以外に新たに、商品開発、技術開発そして販売エリア・チャネル開発等の戦略的な動きでチームに仕事、そして業績をもたらす仕事にチャレンジしていくことです。

サブリーダーは、チームリーダーの代行としてチームを運営することが必要です。なぜなら、リーダーが戦略的な動きをしても、チームにはチームを動かす機能が必要だからです。

これをやる人を育てないとリーダーは戦略的な動きはできません。そしてメンバーには実務処理能力のレベルアップが求められ、全社員が自分の役割に対して、責任を持って、上司・部下関係なくリーダーシップを発揮し、目標・目的を実践していくことが必要です。

■フラット型組織におけるJOBリーダーの役割

フラット型とはテーマに応じて【リーダーとメンバーが入れ替わる】組織となり、変化に対応しやすくなり、全体レベルが上がる事を意味します。組織を動かすことに必要な機能を多く求められてきている現在の対応方法は、全員で対応するしか中小企業には手がありません。

ヒトなし・モノなし・カネなしの中小企業において実施可能なチームを動かす仕事は、必要な役割機能ごとにJOBリーダーを設け、フラット型組織への展開を図ることです。

必要な機能とは、今までは部門単位(営業・製造・総務・経理等)の認識でした。しかしこの認識だと環境変化に対応する機能が大雑把過ぎて、より細分化した視点で会社を動かす機能を考えないといけません。

以下に記すのが、私が現段階で考える社員が推進できるJOBリーダーの役割です。

○経営計画
現場にて経営計画書の浸透・理解・実践させる推進者
○改善推進
現場業務の改善推進者
○決定事項推進
現場のPDCA(決定事項)の推進者
○基本動作の推進者
現場における基本動作の推進者
○教育の推進者
現場における教育(OJT)の推進者

頭にKがつくので、社内に5Kを推進するJOBリーダー育成と考えています。このJOBリーダーとは、ある意味その役割を社内に推進・指導していく社内インストラクターを育成して方法でもあります。


(この項、続く)

 

 

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■ 小池浩二氏 (マイスター・コンサルタンツ(株)代表取締役)

実践に基づいた「中小企業の基礎打ち屋」として、中小企業成長戦略のシステムづくりを研究。これまで500社以上の中小企業経営に関わり、経営診断、経営顧問、研修等を実践。多くの経営者から「中小企業の特性と痛みをよく理解した内容」と熱烈な支持を得ている。
  http://www.m-a-n.biz/ 
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         筆者 小池浩二氏が
【プレイングマネージャーの仕事術】の概論を
YouTubeで説明しています

     http://www.m-a-n.biz/8-1-0.html