講演録「コロナ禍の経済、今後の見通し」(加藤 出)

~日銀の金融政策と、今後の日本経済 [ 特集カテゴリー ] ,

講演録「コロナ禍の経済、今後の見通し」(加藤 出)

■講 師 加藤 出氏(東短リサーチ(株)代表取締役社長チーフエコノミスト)

1988年4月東京短資(株)入社。金融先物、CD、CP、コールなど短期市場のブローカーとエコノミストを兼務後、2013年2月より現職。マネーマーケットの現場の視点から日銀、FRB、ECB、BOE、中国人民銀行などの金融政策を分析している。2007~08年度東京理科大学経営学部非常勤講師。09年度中央大学商学部兼任講師。20年度成蹊大学経済学部非常勤講師。 著書に「日銀は死んだのか?」(2001年)、「メジャーリーグとだだちゃ豆で読み解く金融市場」(2004年)、「バーナンキのFRB」(共著、2006年)「日銀『出口』なし!」(2014年)、「図解とQ&Aですっきりわかるマイナス金利」(監修、2016年)など。主な連載コラムに週刊ダイヤモンド、日本経済新聞電子版、日経ヴェリタス、毎日新聞など。テレビ東京「モーニング・サテライト」、BS・TBS「サンデーニュース・Bizスクエア」、BSジャパン「日経プラス10」、NHK総合「視点論点」などにコメンテーターとして出演。

 

■コロナ禍の世界経済を

 外観してみると 

日本は、新型コロナの感染者数は欧米諸国に比べて結果的に少ないとはいえ、経済への打撃はかなり強いものがあります。主な国の実質GDPの水準をみると、2019年、コロナ前を100として、その後の推移はIMF(国際通貨基金)の予想推計では、日本は去年、イタリア、イギリスほどではないとはいえ、結構、大きな落込みでした。

このIMFの先行きの予想で気になるのは、4月に発表された2026年までの見通しで、台湾、エストニア、ノルウェー、韓国など、全般的にIT系の企業が活発なところが随分伸びてきますが、日本は低調だということです。世界をリードしていくようなIT企業がいまひとつ少ないということや人口が減ってきている、特に生産年齢人口は95年から減り続け、今後も顕著に減っていくので、それも折り込まれているということです。目先のウィズコロナ、アフターコロナの中で日本経済をどうやって運営していくかという問題と、中長期的に見てどうしらいいかという議論も必要ということだと思います。

アメリカの1人当たり実質可処分所得は、コロナ禍前の2020年4月の月当たりで4万6000ドル弱(500万円前後)だったものが、コロナで逆に増えてしまい、3月に限っていえば5万8000ドルを超えています。3月は、前年同月比で29%も増えています。日本人であれば、一部は使うけども貯蓄しておこうという人も多いかと思いますが、アメリカ人はこういうときバンバン使うので、様々なところで商品の供給が追いつかないという事態を生み出しており、一方でヨーロッパや日本の自動車など輸出産業の中には、その恩恵を大変、受けているところもあり、アメリカが今、世界経済をかなり引っ張っています。

ただ、こういう実質可処分所得の激増はいつまでも続くものではありません。失業給付金は9月までですし、アメリカでも財政赤字が膨らみ過ぎると、国債発行額も急激に増えていますので、まだしばらくは需要が強いものの、今ほどの爆発的な瞬発力はいつまでも続かないということだと思います。

経済の状況全体を見た場合、金融緩和で、コロナ対応で金利を世界中、押し下げていますので、その影響として、例えば、住宅価格がスウェーデン、ニュージーランド、オーストラリア等々随分と上がっています。一方で日本は、2013年ぐらいから上がってはいますが、95年を起点にするとまだ水面下にあります。日本のように地方に行けば空き家がたくさんあるという状態ですと、老後に家を売却して資金にするということが成り立たない地域が多い。となると、それは現在の消費を慎重化させる面もあるわけです。また、住宅価格が上がらないと家賃も上がりませんから、消費者物価指数、インフレ率、日銀は2%というインフレ目標を掲げていますが、家賃が上がらないというのは、けっこう大きな影響があったりします。

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講演録「発達障害の傾向のある人を雇用したら」(小島 健一)

-トラブルやいざこざをどう未然に防ぎ、かつ収めるべきか [ 特集カテゴリー ] ,

講演録「発達障害の傾向のある人を雇用したら」(小島 健一)

小島健一(鳥飼総合法律事務所・パートナー弁護士)

人事労務を基軸に、問題社員処遇から組織・風土改革、産業保健、障害者雇用まで、紛争予防・迅速解決の助言・支援を提供。メンタルヘルス不調やハラスメントが関わる深刻な案件も、早い段階から依頼者に寄り添い、解決まで支援。「さんぽ会」幹事、日本産業保健法学会(2020年11月発足)理事。

 

発達障害という言葉は大分知られるようになってきましたが、一番知られてないのが実は中高年の男性です。逆に小さいお子様をお持ちのお母様はかなりご存じではないかと思います。今の小中学校では、発達障害の特性が見られる子どもを早い段階から支援しようという文科省の取組みがここ10年ぐらいで進んできましたから、小さなお子さんをお持ちの親御さんは判るのです。しかし50代のわれわれが育った時代、発達障害という言葉には全く出会いませんでした。ただ自閉症は旧来から知られており、実はわれわれの世代にもそういった自閉症の方が患っているものと共通な要素があることが分かったのは、比較的最近です。アメリカなどでは、30~40年前から自閉症についての研究が行われており、我が国に入ってきたのは20、30年遅れといったところでしょうか。

私も長年、人事労務の仕事に携わってきましたが、どうしてこうなってしまうのだろう、この人はなぜこんなことをやっているんだろう、そんな疑問を抱くことがありました。しかし発達障害を知ることで、今まで埋まらなかったピースがはまったような、そんな実感も得られましたので、人を雇い仕事をお願いするという局面で、問題社員やうまくいかない社員、さらには自分自身というものをよく知るためにも、発達障害とはどんなことなのか、少しでもお伝えできればと思います。

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講演録「“コロナ後”の日本」(馬場 伸幸)

-令和3年衆議院選挙・維新の戦い [ 特集カテゴリー ] ,

講演録「“コロナ後”の日本」(馬場 伸幸)

馬場 伸幸氏(衆議院議員、日本維新の会幹事長)

 1965年大阪府堺市生まれ。高卒後(株)オージーロイヤル入社。86年衆議院議員秘書(中山太郎議員)。93年堺市議会議員補欠選挙初当選。2006年堺市議会副議長、11年堺市議会76代議長(市議6期)、12年衆議院議員選挙初当選。16年日本維新の会幹事長就任。17年衆議院議員選挙3期目の当選。

 

■「地方から日本を変える」――

日本維新の会の矜持 

 日本維新の会は、いつも皆様のご期待に添えてこられたわけではないと思います。政党自体にも紆余曲折があり、二度にわたる離合集散がありました。今の日本維新の会になって約5年、幹事長の仕事を拝命し、この間、組織をきちっと固めてさらに大きくしていくという思いを強くしながら、活動をして参りました。

 過去2回、大阪都構想を掲げ、「地方から日本を変える」ということで、やって参りました。会社で言えば、大阪市の中に大阪本社と大阪本店があり、経営者が2人いて、それぞれの経営理念で、それぞれの商売を好きなようにやっている、というのがかつての大阪でした。指揮官を一つにして、皆様方からお預かりしている税金(財布)も一つにさせていただいて、より税金が有効に、一円でもムダのないように使っていきたいというのがわれわれの考え方でありました。

 大阪都構想は今のところ成就はしておりませんけれども、基本的な考え方はこれからも変わりません。チャンスがあれば、大阪都構想か違う形かわかりませんけれども、行政の仕組みを変えていくという考え方はいささかも揺らぎはございません。

 大阪都構想が昨年、住民投票で否決されたときには、メディアでいっせいに「日本維新の会は終わり、大阪維新の会も終わり」と盛んに書き立てられました。われわれもそういうことが言われないように、色々な勉強をして参りました。

 皆様方の目下の一番の関心事はコロナだと思われます。われわれは、昨年コロナの流行の兆しが見えたときに、政党としては初めて国会で質問をさせていただきました。昨年1月の衆議院本会議、代表質問で私が「コロナというものが中国で流行っているらしい、春節になると多くの方が中国から来日をされる、ということに対して水際対策をどうしていきますか」と質問をしました。あのときは安倍総理でしたが、まだ他人事かなという感じでした。予算委員会でも私のほうからコロナ対策の質問をしました。PCR検査の際に、プライマーという試薬がないために検査ができないという情報をキャッチしておりましたので、PCR検査の段取りを早くしたほうがいいですよ、ということを申し上げましたが、当時の加藤厚労大臣もあまり危機感の感じられないような答弁でした。

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Online講演会「戦後日中関係史」(前編)(西園寺一晃)

米ソ核戦争は一触即発だった~冷戦下の日中関係史 [ 特集カテゴリー ] ,

Online講演会「戦後日中関係史」(前編)(西園寺一晃)

戦後の日中関係についてこれからお話したいと思います。この間の日中関係について研究する学者は少なく、歴史的に不確定な部分が多くあります。日本側と中国側両方を合わせた研究が不可欠ですが、共同研究はいまだにありません。

特に中国の幾つかの歴史問題は、まだ残ったままです。例えば中ソ論争、文化大革命、林彪事件、毛沢東の評価などです。いずれ、中国自身がきちんと総括しなければならないと思いますが、まだその時期ではありません。

■第2次世界大戦の終結と当時の状況

日本の教科書では、太平洋戦争は真珠湾を皮切りに日本とアメリカが戦争した、と教わります。しかしこれは「アジア太平洋戦争」というべきだと思います。日本軍国主義の朝鮮、中国、アジアへの侵略と日米戦争には質的な違いがあります。

1945年、ホットな戦争の終結は、クールな戦争=冷戦のスタートでした。世界は主に3つに分かれます。1つはアメリカを中心とする資本主義陣営(西側陣営)、もう1つはソ連を中心とする社会主義陣営(東側陣営)、そしてもう1つは、この両方とも同盟を結ばない、非同盟の第三世界です。

世界には、2つの政治制度の国が存在し、対立していました。資本主義と社会主義です。資本主義はかなり長い歴史がありますが、社会主義は新たに生まれた政治制度です。

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講演録「“サラリーマンの心”が分かる経営者たれ」(杉野 正氏)

組織を活性化するのはシステムではなく“心”だ [ 特集カテゴリー ] ,

講演録「“サラリーマンの心”が分かる経営者たれ」(杉野 正氏)

1958年東京都生まれ。神奈川大学卒業後、82年(株)ユニ・チャーム入社。96年(株)エイチ・アイ・エス入社。2002年田中康夫長野県知事に見込まれ、しなの鉄道(株)代表取締役社長に就任。04年上田埼玉県知事の要請を受けて埼玉高速鉄道(株)代表取締役社長に就任。07年神奈川知事選に立候補するも次点で落選。以後、複数の会社の社長を歴任。

長野県のしなの鉄道、埼玉県の埼玉高速鉄道の再建を成し遂げたのは、そこで働く社員=スタッフの皆さんの力だと確信しています。では私は「社員」=スタッフをどのように動かしてきたのか。「サラリーマンの心」を理解し行動した結果だと思います。

 

 

 

■社員を「やる気にさせる」

 サラリーマンの心

  • 社長は誰よりも早く出社し定時に退社する

 まず第一項目に「社長は誰よりも早く出社して、退社しろ」です。私は、ユニチャームにて13年間、9時~17時45分まで働いていました。いつも7時に出社して定時に帰っていました。気づいたのは、いつも褒められるのは遅くまで残業してる人です。残業で残っている人を見て下さい。何にも考えてないです。そして、経営者の多くの方は、遅くまで残っている人を高く評価します。

 それと朝、出社したときの挨拶が大切です。私が「しなの鉄道」にいた当時、会社は債務超過です。100円稼ぐために127円使ってました。ここで私は最初に、毎朝早く元気に「おはよう」って先にこっちが言うのです。残念ながら、返さない人が多い。元気にさせない限り、やる気にさせない限り、士気は盛り上がらない。だから、経営者はまず誰よりも早く出社して、プレイヤーの状況をしっかり把握することです。

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リーダーと部下がムリなく築ける関係性づくりのために [ 特集カテゴリー ] ,

講演録「上司やリーダーが陥りやすい思考を打破する考え方と行動」(吉田 幸弘)

■共感されるリーダーが持っている4つの要素
 信頼されるリーダーと、されないリーダーの違いは何でしょうか。リーダーシップとは「付いていきたい」というフォロワーが存在して初めて成立する影響力のことです。部下が信頼できるかどうかがポイントになってきます。
よく権力に付いてくる部下がいるからリーダーシップが優れている、と思われがちですが、そうではないです。「権力」と「権威」の違いと言えます。

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革新的事業再構築によるコロナに打ち克つ経営 [ 特集カテゴリー ] ,

【講演録】「事業再構築補助金活用セミナー」(秋吉正一)

■事業再構築補助金の

概要と要諦

今回の事業再構築の補助金ですが、1兆1485億円。第3次補正予算の目玉です。思い切った事業再構築、規模拡大、新分野展開、業態転換、そして、再編について100万円から3000万円まで受けることができます。30%以上、売上げが落ちた企業や事業主に、優先して補助金をもらえるようにしますという制度です。

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【インタビュー】「ひとり親家庭にお弁当を届ける“hottokenine(ホットケナイン)”を展開」

「ひとり親家庭にお弁当を届ける“hottokenine(ホットケナイン)”を展開」 [ 特集カテゴリー ] ,

【インタビュー】「ひとり親家庭にお弁当を届ける“hottokenine(ホットケナイン)”を展開」

新企画≪飲食店・宿泊施設はいま≫

第1回「ひとり親家庭にお弁当を届ける“hottokenine(ホットケナイン)”を展開」

Noza Caza(東京・六本木)
東京都港区六本木4-8-8 第12岡崎ビル B1F
TEL: 03-6434-0859

笹 裕輝氏((株)SASA代表取締役)
1989年兵庫県加古川市生まれ。3歳から母子家庭で育てられ、高校を中退し、16歳で鳶職の道へ入る。21歳のとき、友人の誘いで上京し、新宿歌舞伎町のバーで働き始め、28歳の時に独立、六本木にカジュアルイタリアン店を構える。趣味はサッカー、野球観戦、読書、ワイン。

■昨年4~5月、さらに首都圏や関西等大都市圏で今年1月4日から2か月以上にわたって再度の緊急事態宣言が発出、飲食店は時短営業を要請され、また県をまたいだ人の移動も制限される中、宿泊施設も厳しい経営環境に置かれた。そんな中でもウィズコロナの時代を見据えて独自の活動を続けるお店や宿泊施設にお話を伺いながら、危機の時代を突破する方法を探っていきたい。第1回めは、緊急事態宣言下、コロナ禍で困窮するひとり親家庭に弁当を無料配達しながら新たな飲食店のあり方を模索する32歳の若き経営者とそのチームに話を聴いた。(聞き手:編集部)

■「hottokenine(ホットケナイン)」とは?

現在の状況から抜け出そうと立ち上がったひとり親家庭に飲食店が作ったおいしいお弁当を毎日無償でお届けするひとり親家庭のサポートチームです。
hottokenineは、シングルマザー家庭で育ち、飲食店を経営している発起人・笹が、「INGプロジェクト」という活動で、コロナ渦で、困窮しているひとり親家庭に対して、無償でお弁当を配達することをきっかけに始まりました。
当プロジェクトは、東京23区を中心に800家庭にお弁当の提供を行い、様々な反響やお言葉をいただきました。
今後は、プロジェクト名を「hottokenine」に変え、お弁当を届けるだけでなく「卒業」という新たなキーワードを取り入れ、現在の状況からの脱却を目指すひとり親家庭に、卒業までの期間無償でお弁当を届けます。
シングルマザー家庭で育った当事者として、「ほっとけない」想いを支援の輪に繋げ、より多くのひとり親家庭に寄り添っていきたいと考えています。
https://hottokenine.jp/

—-「hottokenine」を立ち上げるに至ったきっかけは何だったのでしょうか?

笹 裕輝(以下、笹):はじめは「INGプロジェクト2020」というプロジェクト名でスタートしました。
 
緊急事態宣言が昨年の4月7日に出されましたが、すでに2月くらいから、六本木ヒルズに入っているIT企業さん等から「もうお店に行けなくなりそうだから」というキャンセルが入り始め、危機感をすでに感じていました。それで早めに1000万円の融資を確保できましたので、他の飲食店さんよりは資金的にゆとりがあった、ということが一つあります。
 
そして緊急事態宣言が出され、お店をいよいよ閉めなければならないかなと思い、スタッフたちと何か自分たちでできないかと話し合ったとき、ボクたちには「食」と「時間」がある、お金も1000万円ある。じゃあ困っている人たちに「食」を届けよう、自転車を使って配達をしよう、ということに思い至りました。

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【講演録】二木芳人氏「新型コロナの感染拡大はいつ収まるか」

収束に向けて、今後想定されるシナリオ [ 特集カテゴリー ] ,

【講演録】二木芳人氏「新型コロナの感染拡大はいつ収まるか」

【講演録:2021.3.4開催】

「新型コロナの感染拡大はいつ収まるか」
―収束に向けて、今後想定されるシナリオ

昭和大学 医学部 内科学講座 臨床感染症学部門 客員教授 
二木 芳人

川崎医科大学卒業。倉敷第一病院呼吸器センターの副センター長、昭和大学医学部 臨床感染症学講座の教授等を務め、12年昭和大学病院感染管理部門 部門長(兼務)。昭和大学医学部 内科学講座 臨床感染症学部門教授。19年4月より現職。

■世界の感染者状況と変異ウィルスの動向

米国のジョンズ・ホプキンス大学が毎日、更新しているデータによりますと、昨年8月にこちらでお話させていただいたとき、世界の感染者数は、2867万人、亡くなった方が81万人でした。それから半年、現在、世界の感染者数は1億1400万人、亡くなった方は250万人です。これは診断が付いた人だけですので、実際は、大体3億5000万人くらいの方が、すでに感染したのではないかと考えます。

現時点で、地球上の人口がおよそ78億人ですので、まだまだ感染していない人のほうが圧倒的に多い。大体、人口の6割ぐらいが感染をして免疫を持つとパンデミックが収まるとされていますが、現在、ワクチンを接種した人は2億5000万人ぐらいです。まだまだ免疫を獲得して、この感染症が終わっていくというのを期待するには早いかなと思います。

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【講演録】「若き日の渋沢栄一」(永冨明郎)

「若き日の渋沢栄一」  ―日本資本主義の父・渋沢栄一の原点を振り返る [ 特集カテゴリー ] ,

【講演録】「若き日の渋沢栄一」(永冨明郎)

「若き日の渋沢栄一」
 ―日本資本主義の父・渋沢栄一の原点を振り返る

歴史紀行作家 永冨 明郎

【講演日:2020年11月11日】

「官尊民卑」に疑問を抱き、
武士になることを目指す

「日本資本主義の父」と称され、わが国の経済の基盤を築いた渋沢栄一。2021年NHK大河ドラマ『青天を衝け』の主人公となり、さらには24年から新一万円札の顔としても起用されることが決定しました。

渋沢栄一は、天保11年、武州榛沢郡、現在の埼玉県深谷市血洗島の豪農であった渋沢一族中の家(なかんち)当主渋沢市郎右衛門の長男として誕生します。父市郎右衛門は、中の家が財政難にある.中立て直しのために婿養子に入り、農業や養蚕のみならず、新しい事業として藍玉づくりとその販売を始め、家を再興した人物でした。

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【講演録】「2021年、コロナ禍の世界と日本の行方」(白井さゆり)
[ 特集カテゴリー ] ,

【講演録】「2021年、コロナ禍の世界と日本の行方」(白井さゆり)

「2021年、コロナ禍の世界と日本の行方」
 ―新たな世界秩序と、新型コロナウィルス収束への見通し

 

白井 さゆり氏(慶應義塾大学 総合政策学部 教授)

■コロナ危機以降の主要国地域の経済情勢
 
全体像を見るために、コロナ危機以降の動向だけではなく、その前の状況から見ていきたいと思います。
 
まず目につくのが中国です。ここのところ六%くらいの高い成長率を実現しています。中国を起点としたコロナ危機が始まり、昨年第一・四半期の1―3月は、厳しいロックダウンをしましたので他の国より先に大きな打撃を受け落ち込みました。が、その後、唯一世界でV字回復し、現在はコロナ危機前の状態を超えており、景気回復が著しくなっています。

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日本人よ、もう謝るな!

新型コロナで大きく変わる パワーゲームバランスを生き抜くために [ 特集カテゴリー ]

日本人よ、もう謝るな! [ 情報戦略アナリスト 山岡 鉄秀 ]

 

現在の日本が置かれている状況

 

日本が置かれている国際情勢を、私達一人ひとりが正確に理解しなければなりません。昨年出版に至りました『目に見えぬ侵略‐中国のオーストラリア支配計画』という本ですが、これは2018年にオーストラリアで出版された本「Silent Invasion」の邦訳です。チャールズ・スタート大学のクライブ・ハミルトン教授が著し、それから2年かけて地政学者の奥山真司氏が翻訳して、それを私が監訳(全体の査読と監修)しました。やっと日本で出版にこぎつけた本で、お読み頂けた方もいらっしゃるかもしれません。今日はその本の復習と、それに関連して日本が置かれている状況、そしてベルリンにおける慰安婦像問題、日本学術会議問題など……。複雑に絡み合う国際情勢を紐解き、私達が今どういう状況に置かれ、どういう判断を迫られるか、その上でどういうメンタリティを持つべきか、それが最終的には「もう謝るな」となりますが、一言で言えば謝っている場合ではないのです。日本に謝罪を求めるのは韓国と中国だけです。逆にアメリカという最大の同盟国から見たら、「いつまで戦後のメンタリティなのか」となります。しかし、それを理解するためには少し複雑な国際情勢を見ていかなくてはなりません。

 

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コロナ禍を豊かに生きるための  熟年人生の経済学

世界の経済のあり方は、これからどう変わるのか!? [ 特集カテゴリー ]

コロナ禍を豊かに生きるための 熟年人生の経済学 [ 東京国際大学学長 塩澤 修平 ]

人生と経済学

目的達成に最良の選択を

 

経済学が人生にもたらす意味とは何でしょうか。人生の捉え方は様々だと思いますが、1つには選択の連続だということが言えるでしょう。朝食に何を食べようか、何を着て出かけようかといった小さな毎日の選択から、進学や就職といった大きな選択に至るまで、日々選択の連続です。その一方、我々が欲する財やサービスは、ほとんどの場合に制約があり、自由に手に入れることはできません。さらに、新型コロナウイルスの感染流行によって、その制約はより強いものとなり、選択肢はより狭くなりました。例えば、1日は24時間と限られていますし、経済活動には予算という制約が伴います。コロナ禍により、集会の禁止や人同士の距離を空けることなど、新たな数多の制約も生まれました。

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コロナ時代に求められる企業経営

永続する企業を目指して [ 特集カテゴリー ]

コロナ時代に求められる企業経営 [ 経営学博士 アシックス商事㈱前代表取締役 梅垣 和英 ]

 コロナ禍で見えてきた事

 

本日は新型コロナとどう付き合い、どういう企業経営をしていくかを主眼に話をさせていただきますが、その前にこのような事態になって見えてきたことがあるので、その辺りから話をして参ります。

近代日本になり今日まで、元号が変わる際は良くないことが起きていました。明治時代は戊辰の役がすぐ始まり、西南戦争まで続き内乱が収まりませんでした。大正は1912年から15年間ですが、その前に日露戦争があり景気は落ち込んでいました。さらにしばらくするとスペイン風邪が流行りました。1927年に昭和が始まりましたが、ちょうど金融恐慌の中で2年後にはウォール街の大暴落があり、世界的な不況になりました。平成は、バブルの後始末で「失われた20年」などと呼ばれ、日本が低迷期に入るきっかけとなり、さらにデフレの時代を迎えるなど、良くないことがおきました。

そして令和の今年になり、この新型コロナの世界的な蔓延が起きてしまいました。

未だ感染が収まらず先が見えないのが一番困りますし、どう収束するか心配ですが、そこからいくつか見えてきたことがあります。

 

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新型コロナ、今後の対応

第二波、第三波に向けての準備と心構え [ 特集カテゴリー ]

新型コロナ、今後の対応 [ 二木 芳人 昭和大学医学部 内科学講座 臨床感染症学部門 客員教授 ]

新型コロナウイルス出現
日本の対応はいかに

 

中国武漢から発生し、世界中を震撼させた新型コロナウイルス―。今なお世界中へと感染は拡大し、数多くの死者を出し続けています。日本では昨年末頃より報道され始め、年が明けてほどなく発生したクルーズ船ダイヤモンド・プリンセス号でのクラスターを皮切りに、徐々に国内へと波及し、我が国を蝕んできました。

現在、日本では新型コロナウイルスを指定感染症に指定し、その中でも二類相当と位置付けています。罹患した場合に重篤化する危険度の高い二類感染症では、基準が厳しく、検査結果が陽性ならば無症状であっても隔離対象となります。日本が他国に比べて患者数や死亡者数が少ないのは、この二類に指定したことにより、患者を囲い込み、感染の拡大をある程度は抑え込むことができたからだと言われています。また、指定感染症に指定されたことにより、治療費を公費で負担することとなったのも良い点でした。治療費を取ると、「どうせ風邪みたいなものだから家で寝ていれば治る」という人が増え、感染状況はますますわからなくなったことでしょう。

ところが、最近この二類を外し、インフルエンザらが属する五類相当とするという議論が行われています。しかし、新型コロナウイルスに関する情報が集まりきらない現段階でインフルエンザと同等に考えるという判断を下すと、行動制限や感染状況の観測が難しくなり、痛い目に遭う危険があります。

このように、新型コロナウイルスについては、毎日様々な議論がなされています。私たちは今後このウイルスとどう戦っていけば良いのか、これまでを振り返りながらお話ししたいと思います。

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時代に翻弄された戦国武将  明智光秀の生涯 ―“謀反人”とは裏腹の真の姿に迫る

「明智光秀の生涯」 ――丹波攻略戦と春日局 [ 特集カテゴリー ]

時代に翻弄された戦国武将 明智光秀の生涯 ―“謀反人”とは裏腹の真の姿に迫る [ 福知山光秀ミュージアム主任学芸員 芦田 岩男 ]

大河ドラマ『麒麟がくる』

明智光秀の生涯とは

 

2020年NHK大河ドラマのタイトルは、『麒麟がくる』――。主人公は、織田信長の重臣として名を馳せた、「明智光秀」です。世に広く知られる光秀の人物像といえば、「三日天下の武将」や「謀反人」、「裏切り者」といった悪人というイメージを抱かれていることが多いのではないでしょうか。しかし、実際の光秀は、真面目で実直、部下からの信頼も厚く、人望に富んだ人物だったと伝えられています。一方、その半生はあまり知られておらず、謎多き武将でもありました。

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アマゾンの真の強みは理念の浸透と人づくり(後編)

—アマゾンジャパン元経営会議メンバーが明かす経営の中核部分 [ 特集カテゴリー ]

アマゾンの真の強みは理念の浸透と人づくり(後編) [ kenhoshi & Company 代表 星 健一 ]

行動指針、規範の14項目(続き)

 

Learn and Be Curious』は常に学び、好奇心を持つことです。リーダーは常に学び、自分自身を向上させ続けます。新たな可能性に好奇心を持ち、実際に探求します。これは好奇心のレベルや対象はそれぞれ違いますが、他者がやっていること、市場の動き、テクノロジー、ライバルに対しても好奇心を持つことです。それがあるからこそ人間は向上していくので、常に好奇心を持ちなさい、と言われておりました。

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アマゾンの真の強みは理念の浸透と人づくり

—アマゾンジャパン元経営会議メンバーが明かす経営の中核部分 [ 特集カテゴリー ]

アマゾンの真の強みは理念の浸透と人づくり [ kenhoshi & Company 代表 星 健一 ]

私は過去20年間のほとんどを海外で過ごしました。1989年に旧ソ連から始まりインド、シンガポール、フランス、ルーマニアと転々とし、ミスミという機械工業系の商社に入社、そしてタイにいき、直近10年間がアマゾンジャパンです。その後、kenhoshi&Companyを設立し、コンサルティングなどのサービスを提供しながら、本年2月より、オイシックス・ラ・大地株式会社という有機野菜のeコマースの会社のCOOに就いており、その他にも社外取締役を何社かやらせて頂いております。

本日はアマゾンを中心に内部の人間しか知らないことをお話しいたします。

 

 

アマゾンという巨大企業と理念

 

アマゾンは、1995年にジェフ・ベゾスが設立し、世界中に3億人の顧客がおり、2019年には28兆円(1ドル100円換算)の売上を誇り、社員数は世界に79万人もいる大きな会社です。これほど大きな会社であるにも関わらず、グローバル展開はわずか16カ国です。日本の大手商社が世界に100カ国以上の事務所を設けているのとはかなり違います。

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SOCIETY5.0―新たな時代を豊かに生きる力の育成

“令和新時代”の日本―2020年の幕開けに見る、これからの日本 [ 特集カテゴリー ]

SOCIETY5.0―新たな時代を豊かに生きる力の育成 [ 参議院議員、参議院憲法審査会 会長 林 芳正 ]

時代はsociety5.0へ

未来に向けた行動を

 

近年、情報通信技術の著しい発展に加え、人工知能(AI)やロボットなどの開発技術が革新的な向上を続け、今やその性能の高さから「人間はロボットに仕事を奪われる」という危機感を抱くまでに成長しました。今後さらなる技術発展が加速すると予想される中、我々も時代と共に変化しなければなりません。そこで、日本政府は時代の変化に追従するべく、AIやIoT、ロボット、ビッグデータなどの革新的技術をあらゆる産業や社会に取り入れることにより社会的課題を解決する新たな社会を「Society 5.0(ソサエティ 5.0)」と名付け、未来に向けた行動を開始することを決定しました。

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2020年、世界と日本の景気はどうなる〈後編〉

2020年、世界と日本の景気はどうなる――米中貿易戦争下の大きな潮流変化を読む [ 特集カテゴリー ]

2020年、世界と日本の景気はどうなる〈後編〉 [ 株式会社武者リサーチ代表 武者 陵司 ]

日本のポジション

 

米中問題は来年にはかなりクリアになると申しましたが、中国は半導体が最大のネックであるとして国産化の強化を求めています。様々なハイテクを作るのに米国から物を買えないとなると、日本しかありません。例えば、半導体を作る製造装置に限れば、米国と日本で世界の市場のほぼ8割近くを支配しています。上位15社のうち、日本企業が8社ほど入っています。日本は中国が欲しい様々な技術、ビジネスモデルを持っている国なので、中国はどんどんすり寄ってきます。米国と中国が喧嘩すれば、日本が有利になるのは当然の成り行きで、日本こそ米中対決の鍵を握っています。日本が中国側につくと、米国はアジアから撤退せざるを得ません。鳩山政権はその素振りを見せたので、米国は驚き、激怒しました。しかし日本を追い込むと中国の味方になり、米国はお手上げです。それほど米国、中国にとって日本は大事な存在です。ものすごく有利な地政学ポジションにあります。

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