【講演録】清話会セミナー 東京◆2022年12月19日(月)
「我が国の 安全保障環境」
講師:佐藤 正久 氏 (参議院議員)
ロシア・中国から見れば日本列島は邪魔な位置にある
今、いろいろな意味で日本を取り巻く安全保障環境が厳しいことは皆さんご存じのとおりです。逆さ地図で見ると、「日本列島には地政学的に三正面ある」と言われています。一つはロシア側の北正面、もう一つは朝鮮半島側の西北正面、そして、台湾側の南西正面の三つです。この三正面に対しての備えを日本は様々な形で行ってきました。
第二次世界大戦当時、ソ連はできれば東北ぐらいまで欲しかったのです。なぜかというと、ウラジオストクから昔の極東艦隊、今の太平洋艦隊が太平洋に出るためには日本列島が邪魔で仕方がなかったからです。北海道、そして東北まで押さえてしまえば、太平洋艦隊が宗谷海峡と津軽海峡を自由に通行することができます。要は、相手のほうから見ないと、視点を見誤ることになります。どうしても自分の視点から見がちですが、向こうからどう見られてるかという部分を常に考えないといけません。